あるふたりの建築家へのインタビュー

2018.06.03

ある2人の建築家のインタビューを行った。彼らをインタビューする前に、彼らの作品について分析を行ったが、その背後に見えてきたテーマは建築の「タイポロジー」であった。

「タイポロジー」とは19世紀の建築の概念で、近代建築運動とともに、社会的背景で生じた様々なビルディングタイプといった、その概念の拡大と実践の普及が行われた。その後も、ポストモダン期における、「タイポロジー」の意味の拡充、特にイギリスの建築史家のアンソニー・ヴィドラーによる「Third Typology」においては、三つの「タイポロジー」が挙げられている。

インタビューでは、「タイポロジー」の歴史的背景や概念を整理しつつ、彼ら自身の作品における「タイポロジー」の実在性や意義について伺った。こういった「タイポロジー」に対して、賛否両論、喧々諤々と見解や議論が交わされた。

一方、インタビューから、彼らとある外国の複数の建築家の繋がりが垣間見えた。しかも「タイポロジー」を介して、その歴史的円環の関連性が浮かび上がった。

プロフィール

寺田慎平

建築

1990年東京都生まれ。2023年に建築レーベルw/(100-1-1000)を設立。wlllines.net

谷繁玲央

建築

1994年愛知県生まれ。2023年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は建築構法、建築理論、ハウスメーカーによる工業化住宅の構法史・商品史。既存建築再生のための調査・改修設計に従事。東京大学特任研究員兼務。個人として建築に関する批評活動を行っている。

楊光耀

建築

建築設計・都市計画。93年生まれ。主に都内での公共施設の設計に携わるかたわら、いくつかの委員会に所属しながら、建築の内外を通して都市や公共についての思索と施策に取り組んでいる。その他にも小作品やテキストを通して複合領域での建築の画策を試みている。