建築輪読会『日常的実践のポイエティーク』

2021.05.29
建築輪読会『日常的実践のポイエティーク』

■企画主旨
2021年3月に文庫化されたことを勝手に記念してミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』の輪読会を開催します。

大資本によって都市空間・情報空間が再編される現実の中で、大きなシステムに私たちの手元・足元からどのように抗うかという課題は日々重要になっています。こうした状況下でセルトーの日常的実践知に対する思索に再び注目が集まり、本書の文庫化に至ったものだと企画者は考えています。
長らくカルチュラルスタディーズの古典として取り扱われてきた『日常的実践のポイエティーク』ですが、セルトーの仕事は宗教史学・歴史記述論・言語論・精神分析…など広範で領域横断的であるため、本書の位置づけや意義を定位することは容易ではありません。そのため本輪読会はセルトーの研究をされている福井有人さん(東京大学/表象文化論)をお招きして、初回に簡単にイントロダクションをしていただきます。

3回にわたって、みなさんと喧々諤々議論しながら、本書を読み解く機会になればと思っています。
「建築」輪読会と名前についてはいますが分野やご職業に関わらず、お気軽にご参加ください。
(建築メディアプロジェクト・メニカン 谷繁玲央)

プロフィール

福井有人

哲学、歴史

東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。京都芸術大学非常勤講師。専門、フランス思想史・神秘主義。主な論文に、 「出来事・場所・霊——ミシェル・ド・セルトーにおける「発話行為」の概念について」(『フランス哲学・思想研究』第29号、2024年)、「幻視する解釈者——ミシェル・ド・セルトーにおける「記憶」の概念について」(『超域文化科学紀要』第27号、2022年)など。 主な翻訳に、ユベール・ダミッシュ『遠近法の起源』(共訳、水声社、近刊)。(2025.7)

谷繁玲央

建築

1994年愛知県生まれ。2023年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は建築構法、建築理論、ハウスメーカーによる工業化住宅の構法史・商品史。既存建築再生のための調査・改修設計に従事。東京大学特任研究員兼務。個人として建築に関する批評活動を行っている。