Many Kitchens vol.2

2020.07.13
Many Kitchens vol.2

巻頭言より

メニカン初となるzine、「Many Kitchens」 Vol.1に引き続き、Vol.2を制作した。台所にまつわるトピックを並べた Vol.1は、いわば「食材の並ぶまな板」だった。Vol.2では、これからのキッチンを検討するために、それら食材の「食べ合わせ」を考えてみたい。

まず、頻雑に並んだ食材たちを整理するため、Vol.1刊行イベントの後日談と相関図を収録した。7人が持ち寄った70個の食材で、どのようにメニューを考えることができるのか。ぜひ読者のみなさまにも考えてほしい。

次に、Vol.1やイベントを受けて出てきた議論を深めるため、2人の寄稿者を招いた。彼らはどのような食べ合わせを提案してくれるのだろう。

最後に、メニカンメンバー2人にキッチンのかたちをめぐる往復簡を交わしてもらった。彼らのやりとりを通して、これからのキッチンのかたちがぼんやりと浮かんでくるのではないだろうか。

Vol.2を読み終える頃にはお腹も空いてくるだろう。みなさまの前にこれからのキッチンという名の料理が並ぶまで、もうしばらくお待ちいただきたい。

プロフィール

楊光耀

建築

建築設計・都市計画。93年生まれ。主に都内での公共施設の設計に携わるかたわら、いくつかの委員会に所属しながら、建築の内外を通して都市や公共についての思索と施策に取り組んでいる。その他にも小作品やテキストを通して複合領域での建築の画策を試みている。

寺田慎平

建築

1990年東京都生まれ。2023年に建築レーベルw/(100-1-1000)を設立。wlllines.net

橋本吉史

建築、歴史

建築家・建築史家。⼀級建築⼠。1992年千葉県⽣まれ。2015年に東京藝術⼤学美術学部建築科を卒業後、国内外の設計事務所に勤務。2018年、東京⼤学⼤学院⼯学系研究科修⼠課程⼊学。現在は同博⼠課程にて建築史研究を続ける。2024年、個⼈設計事務所開設、HYPER RESORT株式会社パートナー。

谷繁玲央

建築

1994年愛知県生まれ。2023年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は建築構法、建築理論、ハウスメーカーによる工業化住宅の構法史・商品史。既存建築再生のための調査・改修設計に従事。東京大学特任研究員兼務。個人として建築に関する批評活動を行っている。

星野拓美

建築、歴史、編集

1994年神奈川県生まれ。2018年東京理科大学工学部建築学科卒業。2020年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2020年より建築専門誌の出版社に勤務。

福留愛

建築

1995年鹿児島県生まれ。2021年横浜国立大学大学院 Y-GSA修了後、iii architectsとして独立。2024年から東京藝術大学 教育研究助手。法政大学非常勤講師 。

佐藤熊弥

建築、美術

1991年東京都生まれ。2017年東京藝術大学油画修士課程修了後、2020年早稲田芸術学校卒業、2019-2023年西澤徹夫事務所にて多数の展示デザインを担当。2023年にtandem開設。主な仕事に『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』(パナソニック汐留美術館/2024/展示デザイン)、『ある家族の会話』(東京/2024/集合住宅改修)

奥泉理佐子

建築

1994年東京生まれ。京都在住。一級建築士。武蔵野美術大学菊地宏研究室卒業、東京藝術大学中山英之研究室修了。空間を構成する諸要素を知覚する身体を重視し、光や距離、物の形と人の認識の関係を探る。 主な仕事に、大岩雄典個展「スローアクター」(駒込倉庫 / 2019) 会場構成、「appearance of Interior Room, appearance at Video Meeting」展(JR上野駅 / 2020 / 添田朱音、大村高広と共同) 。「jig theater」会場構成 (鳥取県湯梨浜町旧桜小学校跡 / 2021)、転蓬(東京 / 2022)家具、「土に還るまでの生息」( エルメス財団「エマイユと身体」展 / 2023 )寄稿。