街区の定量化から見た都市の特長の分析

2018.04.29
街区の定量化から見た都市の特長の分析

日時:2018年4月29日18:00~21:00 @ 東京藝術大学上野キャンパス総合工房棟4階FM

メニカン#05は、小澤拓夢による修論発表を囲む会。彼の研究と既往研究を分ける最大のポイントは、街区形状という静的な情報のみを用いた点にある。分析の最初の一手に都市史的なアプローチを一切介入させないことで、逆説的に都市の網羅的な解析が可能になる。そのことの価値を十二分に理解できるプレゼンテーションであった。

研究では六ヶ月(!)かけてリバイズした東京全体の街区ポリゴンデータを、二つの関数で独自に定義した指標(Square値とRias値)を用いて網羅的にGIS解析。そこから得た街区の24分類は「行き止まり街区」という東京の特徴量をよくひろいあげる。東京のすべての街区がモザイク状に塗り分けられたダイアグラムは、圧巻の一言に尽きる。

評者:中村健太郎

プロフィール

小澤拓夢

建築

建築家• sawa architects 代表。1993年東京生まれ。2018年芝浦工業大学大学院西沢大良研究室卒業。研究室にて東京23区全域の街区形状研究を行い、日本における全街区形状を評価可能な論文を執筆。その後sawa architectsを設立し現在に至る。設計活動では店舗設計を多く手がけ、「A+Awards2024」のレストラン部門にて最優秀賞を受賞した。